なぜフレーズで単語を覚えるのか

不自然な会話になっていませんか?

前回、前々回と、単語の微妙なニュアンスの違いを理解するには、日本語で理解した方が腑に落ちるのが早い、日本語を上手く活用するのも大人英語学習者にとっては大切とお伝えしました。そしてもう一つ、生徒様にいつもお伝えしているのは、単語はフレーズ、もしくは文で覚えると活用の仕方が分かり、覚えやすいという事です。必ずフレーズを意識してください。これには理由があります。その単語をどのように使うと一番自然か、それを使うことで何を伝えたいのか、これを意識しているとコミュニケーション力も上がるからです。

例えば、「忙しい = busy」という単語を使う場合、独り言で呟くときは、「あ~、忙しい・・・」「I’m busy…」と、その単語だけを言います。ですが、目の前にいる相手と会話している最中に「忙しい・・・」と独り言のように呟くのは、少し不自然かと思います。

いや、もちろん呟いてもいいですが、「忙しい・・・」とだけ言われたら、聞いている相手は、「ん??何が??なんで忙しいの?」と思いますよね。実際、その様に聞き返すと思います。会話する相手が目の前にいる時に、「忙しい・・・」とだけ伝えるのでは、コミュニケーションがうまく取れません。少し、不自然、不親切かな、と感じます。

これは、英語でも同じです。I’m busy… とだけ伝えたら、Why? なぜ?、であったり、busy with what? 何が忙しいの?などと聞き返されます。busy を使うのであれば「busy with ~ : ~で忙しい」と伝えたほうが、よりスムーズに会話が発展します。自然な会話、自然な流れ、つまり、「自然」なので、イメージしやすく、頭に入りやすいです。不自然だと無意識に「自分にはそんな状況はないな。」と判断し、気持ちが乗らないですね。^^;

もう少し、例を挙げていきます。例えば、親切心で「気を付けて!=Be careful!」と声をかけたとして、「気を付けて!」だけだと、「ん?何に気を付ける?」と思いませんか?親切、かつ自然な声のかけ方は、「○○に気を付けて= Be careful with ○○」と言ったほうが分かりやすく、相手に伝わりやすいですよね。

ここに、英語学習者のもどかしさが隠れていると感じます。「be careful」と「○○に」をつなぐ前置詞 with を意識して学習しないと、単語を羅列してしまう癖から抜け出せず、そうすると「流暢に話せないな・・・」と感じ、ご自身の英語にいつまでたっても自信が持てません。

 

この「不自然感」が私の弱点だな、と気がついてから単語を覚えるときは、必ずその単語を自然なコミュニーケーションにつなげる為の前置詞もセットで覚える、フレーズで覚える、を意識して覚えてきました。ここで超重要なのは、前置詞そのものに疑問を抱かないことです。これは前置詞の事を書いたブログでもお伝えしましたが、「なぜ busy の時は with?」「なぜ careful の時は with?」と、前置詞そのものに疑問を抱いてしまうと、会話を楽しめなくなってしまいます。with との相性のいい単語を使っていると、自然に with の共通するイメージが沸いてきます。急がば回れです。焦らずに、コツコツと英借文を作り練習すれば自然に前置詞マスターになれます!

単語と単語のつなぎ目の前置詞までを意識して覚えると自分自身が「流暢な英語を話せるようになったな。」という自信を感じる様になります!ここが初級者から中級・上級者への分かれ道です!「英語ペラペラ」になるためには、小難しい長~い単語を覚える必要はありません。意外に簡単な道のりです♪^^